こんにちは、モジャ先生です。
高校野球の監督6年目です。高校時は東京都準優勝。自称世代No. 1スコアラー。
自身の高校野球の経験をもとに、「スマートに、勝ちにこだわる」というモットーで、
高校野球の指導にあたっています。
今日は一、三塁の重盗阻止の後編です。
前編も合わせてお読みください!
瞬殺の必殺技!!守備戦術② 一、三塁の重盗阻止法7選(後編)
一、三塁の重盗阻止、前編では3つ紹介した。
①セカンドカット、②ショート一本、③サード一発
使用頻度はこの3つが多い。ただ、次の2つもできるようにしておきたい。
なぜなら、難易度が低いから。少ない練習時間で身につき、リスクも少ない。
身につけない手はない。
ピッチャーカット
捕手は全力で投手に投げる。投手がカットし、三塁走者を刺しにいく。
【このプレーのメリット】
- 投げる距離が短いので、ミスが少ない
- 三塁走者が捕手のリリースと同時にスタートする重盗を仕掛けてきた場合、三塁走者を刺せる
- 1点を失うリスクが少ない
【このプレーのデメリット】
- 二盗はあきらめる、かなりの確率で二、三塁になりゲッツーが取れなくなる
- 投手が挟殺プレーを練習していないと、ミスが起きやすく余計な進塁を許してしまう
リリースゴーの重盗を読んだ場合、二、三塁でOK、あわよくば三塁走者を刺したい場合に有効。
捕手は全力で二塁に投げるふりをして、投手に投げる。つられて飛び出た三塁走者を狙う。
投手が捕ることが予め決まっているため、セカンドカットより送球ミスのリスクは少ない。
しかし、アウトを捕れる確率も高くない。盗塁だけが決まり二、三塁となることが多い。
低リスク、低リターン。
1点も取られたくない場合、打者で打ち取れる自信がある場合に適用する。
しかし、二、三塁を受け入れるため、ヒットで2点を失うことも計算に入れておくこと。
二盗阻止
1点をあきらめて、二塁走者だけを刺す。走者一塁、単独スチールと同じ対応。
【このプレーのメリット】
- 単独スチールと同じため、ミスのリスクが少ない
- 1点OKという共通認識があれば、精神的ダメージが少ない
- アウトにできれば、走者がいなくなる
- 二死ならば、無失点で切り抜けられる(挟殺になると点が入ることもある)
【このプレーのデメリット】
- 1点はあきらめるため、適用できる状況が限られる
- 二塁がセーフだと、1点取られてなお走者二塁
ショート一本と原理は同じだが、違うのは三塁走者を完全に無視すること。
点差があり1失点ぐらい痛くない。それよりもアウトがひとつほしい。
そういうシチュエーションの場合は迷わずこのシフト。
通常のスチールと同じ対応をすればいいだけ。
打撃力があるチームの場合でも、このシフトでいい。
下手にシフトを引いて失敗した時の、精神的ダメージを避けるためだ。
ここまでの5つが、基本のシフト。
練習を重ねて、必ずできるようにしたい。
ここからは、トリッキーなプレーを紹介する。
だが、⑦は必殺法になるので、ぜひ練習したい。
ショートに投げる
あまり見ないプレー。
基本的にはピッチャーカットと考え方は同じ。
違いはひとつ。相手の三塁走者の考え方が、
「セカンドがカットに入らないから、捕手の二塁送球が投手を通過したらゴー」
だった場合、このシフトが有効となる。
二塁から本塁よりショートから本塁の方が距離が短いため、アウトにしやすい。
あらかじめ、「このチームはセカンドカットのシフトを使ってこない」と、
相手に分からせておく必要がある。試合の後半に使うトリックプレーかな。
ちなみに、この「相手に分からせておく」という考え方は、戦術の基本。
「バントはないと思わせておく」「変化球では守備が左にシフトすると思わせておく」
こういった布石を打っておくことで、戦術が生きる。騙し合い。
ファーストがランナーを追う
最後は一塁走者がディレードスチールを仕掛けてきた場合。
この時の挟殺プレーはこれが必殺法となる。
Twitterでも取り上げたので、紹介したい。
このプレーを図式化するとこうなる。
通常の単独スチールのシフト。だが違う。
一塁手はスタートしたランナーを追いかける形でついていくこと。
挟まれようとした走者を追うことなく、ショートはすぐ一塁手に投げること。
これで一塁走者を瞬殺できる。
【このプレーのメリット】
- 挟殺プレーが一球でおわる
- 三塁走者がホームにつく前に、一塁走者をアウトにできる。
一、三塁からの挟殺において、一塁走者の役目は時間を稼ぐことである。
一球でも多く挟殺プレーをさせて、その隙に三塁走者がホームをつく。
一塁走者にはそういった思惑があるため、セカンドベースの手前で引き返し、
挟殺に持ち込もうとする。
そこで、一塁手が走者を追走する。ショートは捕手の送球を受けたらすぐ一塁手にボールを投げる。
一塁手は走者の真後ろにいるため、捕ってタッチするだけである。
瞬殺の必殺プレー。動画の明石商業はこのプレーで絶体絶命のピンチを切り抜け、勝利している。
この日の、このシチュエーションのために、練習を重ねていたのだろう。
まとめ
一、三塁の重盗阻止。動画で見るほどスムーズにプレーするには、相当な反復練習が必要となる。
チームで統一された、「この状況でこうきたら、こう」という意志が必要となる。
冬場の練習で、この戦術面をぜひとも繰り返し練習したい。
他にもシフトがあるみたいだが、俺は見たことがない。
もしご存知の方がいたら、教えてください!
コメント