【センバツ決勝】大阪桐蔭vs近江、勝負を決めたファーストプレーと前田悠伍

2022センバツ

こんにちは、モジャ先生です。

センバツもついに決勝。補欠校から頂点まであと一勝。山田陽翔を中心に粘りの野球で頂点を目指す近江と、圧倒的な個の力で順当に勝ち進んだ大阪桐蔭の決勝となりました。

近江は山田陽翔が前日のアクシデントもあり登板回避かと思われましたが、強行出場。大阪桐蔭は「二年生ビック4」の一人で、甲子園でも完璧な投球を見せている前田悠伍が先発です。この一戦を解説していきます。

大阪桐蔭  113 014 440 | 18

近江    000 010 000 |  1

この記事ではここに注目していきます。

  • センバツ決勝がどんな試合だったのか
  • なぜ大阪桐蔭の圧勝劇が生まれたのか
  • 前田悠伍のすごさはどこにあるのか

世代を代表する選手が集う中、前田悠伍のすごさに迫っていきたいと思います。

ではいきます。

なぜ大阪桐蔭の打線はここまで爆発したのか

初回、ファーストプレーがこの試合の方向性を決めただろう。

今大会のこれまでの試合を見ても、大阪桐蔭の実力は頭ひとつ抜けている。さらにどの打者も好調をキープしており、打線の切れ目がない。

一方で近江は前日の準決勝、エースで4番で主将の山田陽翔が左足に死球を受けた。テーピングで固定し強行出場しているが、万全の状態とはほど遠い。

試合前から力にもコンディションにも差があるのは明らかだった。だからこそ、近江にとって取れるアウトを取ることは勝利への最低条件だった。

試合開始直後、大阪桐蔭の一番伊藤の打球はサード後方へのフライ。山田が完全に打ち取った打球。しかし、風に流されショートが落球。

このプレーで、試合の方向性が決まった。無死三塁。ここから大阪桐蔭は先制、2回以降も追加点をあげる。山田は3回に本塁打を打たれたところで降板。その後も大阪桐蔭は相手にペースを譲ることなく、点を取り続けた。

相手は格上。一人を打ち取るのに大変な苦労が必要となる。やっと打ち取った打球を守備の乱れで生かしてしまっては、勝負にならない。

近江にとっては痛恨のプレーとなった。

「二年生ビック4」前田悠伍の魅力

しかし、近江1番の敗因はそこではない。近江は粘り強いチームである。これまでの戦いでも、点を取られても取り返す粘り強さがあった。

逆転の近江がこの試合では機能しなかった。

その原因は、大阪桐蔭の前田悠伍のピッチングである。

反撃を狙う近江の前に、前田悠伍が立ちはだかる。

防御率0.47は出場選手中No. 1。今大会、「二年生四天王」の一人として大会前から注目を浴びた二年生左腕である。

不戦勝もあり、登板機会もそこまで多くなかった。

しかし、この決勝の大舞台で圧巻の投球を見せる。7回を投げ、被安打2、11奪三振、自責点0。セカンドの失策で1点を失ったが、近江打線にまともにバッティングをさせなかった。

これで今大会は13イニングを投げ、23奪三振、防御率0.00で終えた。

疑いようがない、現時点で高校No. 1投手である。まだ二年生である。ここまでの防御率になる秘密はどこにあるのか。まとめてみたい。

球持ちがいい

後ろから見ると、球の出どころが見づらいフォームである。リリースの直前までボールが見えない。いきなりボールがズドンとくるイメージだ。

テンポがいい

テンポの良さも魅力である。ランナーがいなければ、ボールをもらってから3秒ほどで、次の投球の動作に入っている。捕手もすぐボールを返すため、打者が考える暇を与えない。

変化球の偏りがない

ストレートは140kmを超え、スピンも効いている。左打者へのスライダー、右打者へのチェンジアップはもちろん威力抜群。

しかし、それ以上に脅威なのは右打者膝元へのスライダー、左打者の内角へのチェンジアップである。デッドボールが怖くて投げ込めない投手が多い中、持ち前の制球力でインコースにどんどん投げ込む。

ピッチトンネル

そして何より、どの球も「ピッチトンネル」を通し、打者に見分けがつかない。ストレート、チェンジアップ、スライダーが全て同じ軌道で途中までくる。手元で変化するため、打者には見分けがつかない。

「今すぐプロで通用する逸材」の行く末

「今すぐプロで通用する逸材」「今年のドラフトで欲しい」とプロのスカウトも口を揃える。前田悠伍の伝説はまだ幕を開けたばかりである。球速、コントロール、変化球、どれもまだ伸びしろが十分にある。フォロースルーも荒々しく安定していない。

何より、この絶対的な、相手を支配するような投球を、これからあと1年半見れる。それが楽しみで仕方がない。

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